収獲されたキュウリは関東圏へ出荷
野菜収穫ロボットを軸にAIとテクノロジーで農業DXを推進するAGRIST株式会社(本社:宮崎県新富町、以下AGRIST)は、株式会社タカミヤの愛菜羽生農場(以下、羽生農場)でキュウリ収穫ロボットを2台導入し、4月15日(月)に納品セレモニーを行いました。今回の導入により、収穫作業の効率化と収穫遅れをなくすことによるキュウリの品質向上を図ります。
AIを活用したキュウリ収穫ロボット開発の経緯
キュウリ自動収穫ロボットは、収穫時の人手不足を解消するために2021年からつくばオフィスを拠点に開発してきました。キュウリは全盛期には1日に2回収穫を行う必要があるほど作物の成長が早く、収獲作業に大きな負担がかかります。そこでAGRISTは協力農家の意見を基に独自開発の収穫ハンドを搭載したキュウリ収穫ロボットを2023年に完成させました。
地上走行式(レール)で移動し、1本100グラム以上するキュウリを収穫ハンドでつかみ、優しくコンテナへ置きます。また、ロボットは休まず10時間連続稼働させることが可能なため、日中の暑さでハウスに人が入らない時間帯に収穫作業を行えます。0.3個/分のスピードで収穫を行い、人をサポートをします。
納品セレモニーについて
4月15日に行われた納品セレモニーへは10名以上の関係者が集い、AGRIST公式YouTubeに4月初旬に公開されたキュウリ収穫ロボット最新動画の放映、テープカット、記念撮影が行われました。また、当日は3Dプリンタで作成したキュウリ収穫ロボット模型が記念品として贈呈されました。
(株式会社タカミヤ 岡本様)
(AGRIST株式会社 清水)
(キュウリ収穫ロボット使い方レクチャーの様子)
開発の課題を乗り越え導入へ
VP of Engineering エンジニア統括最高責任者 清水 秀樹 / Shimizu Hideki
キュウリ自動収穫ロボットの開発は、AGRISTの技術力とタカミヤ様や協力農家との共同作業が生んだ成果です。皆様のフィードバックと協力により、私たちはより実用的で効率的なロボットを創り上げることができました。開発過程では何度も繰り返し検証を行い、最終的にはシンプルな構造でありながら実用的なロボットを製品化することができました。しかし、私たちはこれをゴールとは考えていません。これは新たなスタートです。AGRISTは未来の農業をデザインすることを目指しています。そして、私たちは今後も技術開発を進め、より多くの農業者が抱える課題解決に貢献できるよう努力して参ります。
キュウリ収穫ロボット 設計開発リーダー 増渕 武 / Masubuchi Takeru
ロボットの開発において、一番困難であったことは収穫ハンドの開発でした。このロボットが対象としているつる下ろし方式の栽培では、キュウリが主枝のすぐ近くになります。収穫の際に誤って主枝を傷つけてしまうと、切った先が成長しなくなり大きな損失となってしまうため絶対に避けなければなりません。茨城県や宮崎県の農家の皆様、そして今回導入して頂いたタカミヤ様の圃場で繰り返しテストをさせて頂き、この課題を解決できる収穫ハンドを開発できたことが、今回の実導入という大きな一歩に繋がったと感じております。今後も開発と改良を続けて、人の介入を最小限にし、自律的に稼働し続ける収穫ロボットの実現を目指して参ります。
キュウリ収穫ロボット ソフトウエアエンジニア 宮崎拓真 / Miyazaki Takuma
このロボットの開発において、実際の農場環境における試験は不可欠でした。オフィス内での模擬環境では、実際の収穫作業におけるさまざまな課題や制約を正確に再現することは難しく、実地導入では我々が事前に作成した収穫モーションが実環境ではつるに引っ掛かりやすいという問題点を発見しました。この課題を克服するために、日々農場でモーションを改善し、その結果、収穫効率の大幅な向上を実現することができました。
これからも、実地での試験を通じて得られるフィードバックを大切にし、より優れた農業ロボットの開発に取り組んで参ります。農業DXの推進に貢献するために、技術革新と改善を続けていく所存です。
(左から増渕、清水、宮崎)
キュウリ収穫ロボットムービーの公開
AGRISTは自動収穫ロボットを軸にAIやテクノロジーを活用した農業DXを推進しています。この動画ではロボットの性能説明や、開発エンジニアからのコメントだけでなく実際にロボットを導入した羽生農場長からコメントを頂いています。
AGRISTはテクノロジーを活用してスマホからワンタッチで農業ができる世界を目指します。
▼公式YouTubeリンク https://www.youtube.com/c/AGRIST_INC
ロボットをリモート操作し収獲を行うことで自宅から農作業が可能に
また、遠隔操作機能を搭載したロボットでリモート収穫体験を全国各地で行ってきました。この機能により、自宅にいながら収穫作業ができるため、外出することが難しい方でも農作業を行うことが可能です。
今後は、茨城県常総市に2025年に新設する自社農場での展開を予定しております。ロボット開発だけでなく、AIやロボットを活用したアプローチを自社農場で実施することで農業DXを推進して参ります。
▼参考プレス
・約1000キロ先の農場と鹿児島市幼稚園をつないでキュウリの遠隔収穫体験実施 (https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000105.000050444.html)
・AGRIST、福島タネセンターで地元小学生向けにスマート農業体験(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000100.000050444.html)
・【参加者限定体験】遠隔収穫ロボット操作体験を実施(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000103.000050444.html)
キュウリロボット仕様
野菜品目 | キュウリ、果菜類 |
---|---|
導入費 | ロボット単体購入も可能。パッケージ販売、レンタルについてはお問い合わせフォームよりご連絡ください |
重量 | 60㎏ |
サイズ | W1,110×D680×H1,520mm |
電源 | バッテリー(交換式) 24V 23.7Ah |
充電時間 | 約5時間 |
収穫性能 | 0.3個/分 |
移動スピード | 100m/30~45分 |
連続稼働時間 | 約10時間 (ただし畝間移動は手動) |
1日の収穫量 | 200本/10時間 |
通知機能 | 不具合発生、稼働完了時スマホへ通知 |
導入可能ハウス
キュウリ自動収穫ロボットが導入できるハウスには要件がございます。予めご了承くださいませ。
・つるおろし栽培を行っていること
・30a以上の大規模施設園芸ビニールハウス
・地面が平らである
・つる下ろしの主枝がベッド横に綺麗にまとめられていること
※ロボット・ハウス要件詳細はこちら(https://sample7.kubokotaro.work/products/robot )
▼参考プレス
・AGRIST、タカミヤ農場できゅうり自動収穫ロボット導入を開始(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000050444.html)
・キュウリ収穫ロボットを第13回農業WEEKで初出展(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000099.000050444.html)
・【初導入】現場でのキュウリ収穫ロボット稼働にエンジニア手ごたえ(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000050444.html)
事業拡大に伴い積極採用中
AGRISTでは事業拡大に伴い、AI農業プラットフォーム「AGRIST AI」の構築を行うエンジニア、ロボット開発エンジニア、次世代農場の栽培および農業技術の研究開発を行う農場スタッフの採用を強化しています。
【募集】ロボット開発エンジニア
- Webアプリエンジニア
- Iotエンジニア
- データサイエンティスト
- スマホアプリエンジニア
- ハードウェアエンジニア
※勤務地は茨城県つくば市のつくばオフィス。一部リモートワークも相談可能です。
【募集】農場管理
- 栽培技術研究者(農学博士号保有者など植物生理に知見を持つ方)
- 栽培管理者
- 設備管理者
- 農作物販売、販路拡大
ご興味のある方は下記よりお問い合わせください(https://sample7.kubokotaro.work/recruit)。